大家目線の孤独死予防策まとめ

入居者の孤独死のリスク

1号戸建の入居者様は単身で生活されています。

新型コロナ・自宅療養・隔離期間・孤独死のリスクの高まり

大家としては入居者様に起きた異変は早期に発見したいと考えます。

入居者様の人命はもちろん、万一の際のペットの救命。さらにご遺体の長期放置による周囲の住民へのご迷惑や建物へのダメージなど。

また、今後の不動産賃貸業の営み方を日本の人口動向から考えるためのデータとして、一世帯当たりの人員が参考になります。

少子高齢化はもちろん国勢調査の結果では、単身世帯は2000年から2020年の20年間で単身世帯数は約2割増加しています。また、単身世帯の人員の年齢が、年々高まっています。この2点から、今後は高齢の単身世帯の入居者を受け入れるかどうかは、不動産賃貸業を安定して運営するための一つのポイントとなりうるとも考えられます。

目の前のリスク(現入居者様の孤独死による事業へのダメージ)だけを回避したければ、オーナーチェンジで売却してしまうのも手です。ただし、みなさんもご存知のとおり利回りが高くないので、今の相場で売却してもキャピタルゲインは皆無です(恥)。

ですが裏を返すと、孤独死のリスクさえ回避できれば、今後事業を拡大していくうえで取り込める入居者層も幅広くなるという利点があります。しかも現入居者様の属性を考慮すると、ご本人の意思による退去の可能性は限りなくゼロに近いため、安定した家賃収入が見込めます。

以上の内容を踏まえて、今回は入居者様・大家ともになるべく負担が少ない方法で、入居者様の安否確認ができる方法を導入することに決断しました。この安否確認にかかる費用は大家負担で進めるつもりです。

世の中にあるサービス

さっそく、どのようなサービスを利用すればよいか調べました。googleで「孤独死対策」「安否確認」「高齢者」などのキーワードを組み合わせて検索すると、様々なサービスやまとめサイトがヒットします。

ですが、その数々のサービスの中から、大家目線かつ予防策としてまとめられたサイトがなかなか見当たりません(汗)。事後の対応について書かれたものが多いようです。

なので一つ一つのサービスから次の項目を抽出し、一覧表にまとめてみました。

※サービスのホームページでは、連絡先を「家族」や「近親者」と記載されていますが、今回は記事の内容・使用目的に合わせて「大家」と表現を変更しています。

セコムは契約件数業界 No.1。家族の「安全・安心」を見守る心強い味方です。|セコム・ホームセキュリティ|SECOM

・サービス内容

廊下やトイレ前などにセンサーを設置し、一定時間動きが無い場合に、異常信号をセコムに送信し、セコムが入居者様の安否を確認されるサービスです。カメラではない点が、見守られる側の精神的な負担を和らげることが期待できそうです。また、万一の時にはセコムの警備員の方が駆け付けてくださる点は、サラリーマン大家や遠方の大家でも安心ですね。

・申込者

セコムの見守りサービスは、見守る側(=大家)が申し込みます。大家が申し込めることで、大家の知らぬ間に入居者様が勝手に解約するというトラブルも防げそうです。

・費用

さすがに手厚いサービスだけあって、初期費用・月額費用ともに高額です。単身世帯の家賃で、毎月4,400円の負担はかなり大きいですね(汗)おそらく、もともと自宅をセコムで防犯されているような、お金持ちのご家庭をターゲットとしたサービスかと推測します。

 

今回の物件では費用面で現実的ではないということで採用を見送りました。

 

LINEで安否確認で孤独死や突然死を回避ならエンリッチ見守りサービス

・サービス内容

こちらは無料アプリLINEを使って入居者様の安否を確認するサービスです。入居者様は設定した時間ごとに安否確認ボタンをタップします。この操作がされなかった場合にサービス運営者から入居者様へ電話での安否確認がされます。もし電話が一定時間繋がらない場合は緊急連絡先として登録した近親者(=大家)に連絡が入ります。現地に駆けつけるのは大家本人、もしくは大家から不動産の管理会社様へ依頼することになります。前提として、スマホタブレットでLINEを使用していることが必要です。

事前に入居者様をLINEの友だち登録で電話番号検索してみましたが、ヒットせず。。。電話番号登録を非公開にしているだけだと祈ります。

・申込者

このサービスは、入居者様ご本人に申し込みから緊急連絡先の登録を行っていただく必要があります。また、毎日の安否確認操作もあるため、この手間を入居者様が負担に思うかどうか。これはご本人に確認する必要がありますね。

そして初めは安否確認操作を実施してもらえたとしても、途中で面倒になって解約された場合、大家にはおそらく連絡はありません。これについては明記されていたわけではありません。ただ、このサービス自体が、自分の孤独死を防ぐという本人の意思で申し込みされたことを前提として提供されているため、そもそもそんな人が解約することを想定されていないのは当然かもしれません。

・費用

基本的には無料です。一部有料のサービスもありますが、大家としての目的を果たす上では無料の範囲で十分だと思います。

 

スマホ1つで安否確認ができ、なおかつ無料ということで採用のハードルはかなり低いです。ただし万一勝手に解約された場合のリスクがあるため、採用は保留にします。他のサービスと比較しながら提案して、入居者様ご本人の意思で申し込んでもらえそうであれば心強い手段になりそうです。

というか、最終手段としてはLINEもしくはSMSで、毎日定型文を大家に直接送ってもらえばよいのではないかというアイデアも思いついたので、ここでメモしておく。

 

みまもりLite | みまもりステーション

・サービス内容

使わなくなったスマホにアプリをインストールし、見守られる方(入居者様)がそのスマホを操作(1タップ)することで見守る方(大家)のスマホアプリで安否状況が通知されるサービスです。また、アプリがインストールされたスマホのカメラで室内の明るさや人の動きを検知し、生活状況を大家に通知します。操作がない場合には大家自ら入居者様に電話や訪問で安否確認を行う必要があります。

・申込者

アプリをインストールした人が申込者になるため、大家がその手続きを行うことで大家自らが申込者となります。使わなくなったスマホにアプリをインストールし、入居者様に操作方法を説明してそのスマホを預けることになりそうです。解約された場合、おそらく安否確認の通知が来なくなるので、解約によるリスクは回避できそうです。

・費用

サービス自体は無料です。

 

無料かつスマホ1台で安否確認ができることは魅力ですが、採用に至るには、

・使わなくなったスマホが用意できるか

スマホを預ける/預けられる人間関係ができているか

スマホのカメラが有効なことを受け入れられるか

と超えなければならないハードルは意外と多そうです。家族が見守るのとは事情が異なるが故のハードルですね。どうせスマホを操作する必要があるなら、エンリッチ見守りサービスで良いのではないか、ということで提案する候補からは外しました。

 

みまもりサービス|離れて暮らす家族にあんしんをお届けします(みまもる)

・サービス内容

入居者様のスマホの利用履歴を、見守る人が確認できるアプリ。もし一定時間利用履歴がない場合、自動で見守られる方に電話で安否確認してくれます。

・申込者

見守られる側と見守る側がそれぞれアプリをダウンロード。スマホの利用履歴を見守る側が確認する仕組みのため、入居者様の負担もそれほど大きくなく、さらに万一入居者様がアプリを削除した場合でもすぐにリカバリーできる点は安心。

・費用

無料のシンプルプランと有料の基本プランの2種類。有料プランはユーザーが使用する携帯キャリアによって金額が異なり、ソフトバンク/ワイモバイルの場合は480円、それ以外の場合は980円。自動電話や自動通知が必要な方は有料プランをどうぞ、といった内容です。

自分でスマホの利用履歴を毎日チェックできる大家であればシンプルプランでも十分かと思います。

 

が!アプリの口コミを見ると、無料プラン・有料プランに関わらず、頻繁にアプリが停止するトラブルが発生している模様。利用履歴が更新されなければ、入居者様に安否確認の電話を自分でするわけですから、しょっちゅう入居者様に電話をかけるハメになりそうな予感。

という訳で、採用は一旦見送りました。

 

MaBeee みまもり電池 家族みまもりサービス|Novars

・サービス内容

単3電池の形状をした電池型デバイスで、中に単4電池を入れて単3電池として使用する。単3電池を使用している家電に入れた「みまもり電池」が家電の使用を検知し、アプリとインターネットを介して、大家のスマホの「みまもりアプリ」に状況を通知する。

・申込者

大家からの申し込み可。入居者様には、スマホにアプリのインストールと家電の電池をみまもり電池に入れ替えてもらう必要があります。

・費用

電池本体3,278円+月額料金1,078円

中にいれる単4電池は市販のものを交換しながら使用できる点は魅力。月額料金もそこそこ低額ではありますが、アプリの内容をもっとシンプルにして月額料金が数百円だとありがたい。

 

一度使用し始めることができれば、入居者様にかかる負担はほぼゼロのため、次に紹介するHello Litghtの次点の候補とする。

 

史上最もシンプルな見守り・防犯デバイス「HelloLight(ハローライト)」│IoT電球

・サービス内容

通信機能を持つ電球で、点灯・消灯を検知し、一定時間点灯もしくは消灯の動きがない場合に大家にメールでお知らせが届きます。電球そのものにSIMが搭載されているため、入居者様でアプリインストールが不要で、室内の電源工事やWiFi工事も不要。電球を交換するだけでよいという負担の少ないデバイス

・申込者

大家が電球を購入して、電球交換をすれば完了。電球の取付前にQRコードを読み取って情報登録しておくだけでよい。電球が取り外された場合、恐らく異常通知は届かないので、心配性な大家は数日に1回は管理画面にアクセスし、点灯/消灯の検知日時を確認するとよい。

・費用

初期費用10,780円

月額費用165円(ベーシックプラン)

月額費用495円(スタンダードプラン)

ランニングコストが低いことが魅力。2023年3月末でベーシックプランの新規申し込みの受付が中止になりますが、仮にスタンダードプランだったとしても最も低額のサービスですね。

 

入居者様への少ない負担と費用の観点から、今のところ最有力候補。ただ1点心配なのが、リフォーム後の室内の写真を見返すと、どの照明も蛍光灯型で、電球型の照明が映っていない。。。現地を確認した上で購入を決断したいところです。

 

となリモ | IoTで離れて暮らす家族を見守るサービス

・サービス内容

複数のセンサーと専用アプリで、入居者の動作を検知し、一定時間動きが検知できない場合などに異常アラートがアプリに送信されるサービス。希望者には有償で駆けつけサービスの提供もあります。センサーの取付は専門業者が行う。

・申込者

大家が申し込む。センサーが外されたりすれば、おそらく異常検知して通知がくるものと想定しますが記載はありませんでした。

・費用

バイス費25,025円

月額費用1,078円

設置工事費31,240円(今だけ無料キャンペーン)

バイス費と月額費用がそこそこしますね。。。

 

総合的に入居者様の自宅内にセンサーを設置するための工事や、大家負担の費用などを考えると、導入には消極的になってしまいます。

 

まとめ

第1候補:Hello Litght

採用ハードル:宅内の電球型の照明の有無

 

第2候補:エンリッチ見守りサービス

採用ハードル:入居者がLINEをブロックしてしまう不安との戦い

やっぱり日々この不安と戦うのは嫌なので却下。

 

第3候補:いっそのこと、直接SMSもしくはLINEで定型文送受信

採用ハードル:入居者様がめんどくさがって拒否される

 

他の候補は、月1,000円以上のランニングコストは4万円台の家賃からすると痛手。こうなれば電球型の照明器具をプレゼントしてでもHello Litghtを導入するのが長期的に見て安心で費用も少なくなるような気がしてきました。

今回のブログはここまでです。継続して入居者様との交渉結果や、サービスを利用してみた感想などをご報告したいと思います。