この記事で伝えたいこと
- 入居者探しは信頼できそうな仲介業者様を自分で見つける
- 募集賃料は周囲の戸建と比較して決める
- 仲介業者様は戸建投資における重要なパートナー
戸建投資の収益化までのプロセス
賃貸募集 ←今回はココ!
入居契約
修繕対応
私が実践している現金戸建投資の物件購入から収益化までの流れについてご説明している「戸建投資の全体像」シリーズ。
こんな方にオススメなのでシリーズ全体に目を通してみてください。
- 初めて不動産投資に取り組まれる方
- 現金戸建投資の全体像を理解したい方
今回のブログでは、リフォーム後の賃貸募集にフォーカスします。
賃貸募集の流れ
さて、リフォームも完了し、次はいよいよ入居者募集です。
私はこれまで、次のような流れで賃貸募集しています。
- 大まかな募集条件を決める
- 仲介業者様に募集を依頼する
募集条件については、大枠を決めておいて入居者募集を依頼する仲介業者様に相談して詳細に決めるといった感じです。
大まかな募集条件を決める
募集条件の項目
入居者募集始めるにあたって、私が決めている項目は以下の5つです。
この条件は、このタイミングで初めて考えるといういうよりも、物件を購入するときとリフォームをするときにある程度イメージを掴んでおくことをオススメします。
- 賃料
- 敷金・礼金
- 入居者属性
- ペット
- 保証会社・連帯保証人
これらの項目について、
自分の想像していた条件と物件の周辺相場がかけ離れているときに起こりうる問題は、投資費用の回収に必要以上に時間がかかる、最悪の場合、いつまでも入居者が付かないといったことです。
これらの項目について私の実施例を含めて具体的に記載します。
賃料
入居者様から毎月振り込まれる、いわゆるお家賃です。
戸建投資をする大きな目的の1つです。
(もう一つの目的は売却益)
だいたい千円単位で決まることが多いですが、私の場合、募集開始の時点では5千円単位で仲介業者様に相談することが多いです。
1軒目の物件は、周辺の最低家賃45,000円で募集しました。理由は、3Kと狭い間取りであったこととDIYで費用と仕上がり品質を控えめにしたことです。
2軒目以降は周辺相場よりも高めに設定し、60,000円~65,000円で募集しました。理由は、間取りが広い戸建を選んだこととリフォームを外注してしっかりやっていたことです。
周辺にはリフォームを控えめにした戸建は散見されましたがリフォームをしっかり施した戸建が少なく、同じ家賃帯で競合が少なかったため、高めの家賃でも入居者様がいらっしゃると推測しました。
各物件の間取りやリフォームの具体的な内容については、順次紹介していきたいと考えています。
敷金・礼金
敷金・礼金は地域性があるようですね。
私が戸建を所有している地域では、仲介業者様とお話していると、特に敷金を取るオーナー様の物件は入居者様から敬遠される傾向にあるとのことでした。
そのためペット飼育を認める場合にのみ取ることがあるそうです。
逆に礼金は1か月分を、仲介業者様の交渉の材料として設定しています。礼金も含めた形で契約がまとまれば、礼金を仲介業者様にお支払いする広告料に上乗せしています。
入居者属性
入居者属性とは、入居者様の
- 家族構成
- 年齢
- 支払い能力(勤務先・年数・雇用形態)
などのことを指す、いわゆる「どんな入居者様か?」
のことです。
入居者様の属性は、物件の条件と連動する傾向があるように感じています。
例えば家族構成と年齢は間取りに連動し、3Kや2LDKぐらいまでの広さの間取りであれば単身高齢者の方や親子二人世帯などが対象になります。
さらに支払い能力も含めると、控えめな家賃であれば生活保護の単身高齢者、高めの家賃であれば、会社勤めの親子二人といったような感覚です。
間取りが3LDK以上に広ければ、3人以上の親子世帯やこれから家族が増える新婚世帯が
対象になります。
これは絶対的な指標ではありませんので、想定外の属性の入居者様が現れることもありますが募集を開始する時点(もっと言うと物件購入時点)ではこんな感じでイメージしています。
一般的には単身高齢者の方を避けたがる大家さんが多いので、需要と供給のバランスを考えるとあえてそういう間取りと家賃の物件を仕上げるのも一つ戦術ですし、自分もそういった入居者様を避けたいのであれば、広めの戸建を選ぶ、リフォームをしっかりするなどの工夫が必要です。
物件条件が悪いのに、こちらも入居者属性を選り好みすると、互いにマッチする可能性が劇的に下がり、空室期間が長引いてしまうことがあるようです(汗
ペット
賃貸戸建への入居希望の理由の中には一定数、「ペットを飼いたいから」というものがあります。
ペットの種類や躾け方次第では、建物を汚されるリスクがあります。一方でペット可にすることは差別化要因の1つにもなります。
つまり、こちらも入居者属性同様、選り好みして(安心をとって)可能性を狭めるのか、リスクを取って可能性を広げるのか、難しい選択です。
私の場合、「ペット相談可」で募集してもらっています。
結果的に広めの物件ではペットを飼われない方が入居され、狭めの物件ではペットを飼われる方が入居されています。
ペットを飼われる場合には、家賃の上乗せや、退去時にクリーニング費用を支払ってもらうことを契約内容に盛り込んで、退去後の費用を回収できるようにしています。
というか、それが精いっぱい…
退去後の修繕にいくらかかるかわからない点でリスクを先延ばししているような気もしています…
今後は広めの家を買って、しっかりリフォームしてペット可でなくても差別化できる物件を増やしていきたいと考えています。
保証会社・連帯保証人
保証会社は、賃貸の入居者様が家賃を支払わなかったときに家賃を立て替えてくれる会社です。立替なので、入居者に対する家賃の回収は保証会社が行います。
以前は連帯保証人を立てるケースが一般的でしたが連帯保証人になってもらうハードルの高さから保証会社にお金を支払って、連帯保証人の代わりの役割を担ってもらうケースが多いようです。
保証会社は必須で募集することをオススメします。
実際に私も保証会社を利用し、連帯保証人は不要で募集しています。
その理由として、上記の通り入居者本人が家賃滞納しても収入が途絶えないこと、さらに未払いのリスクがある入居者を契約の段階で除外できることが挙げられます。
保証会社は契約の段階で入居者の審査を行い、未払いリスクの高い入居者をふるいにかけます。つまり審査をクリアできる入居者様であれば家賃滞納のリスクが低いことになります。
一方、審査をクリアできない入居者様はこれまでに家賃やそれ以外の支払いを滞納している可能性が高いです。私は家賃未払いのトラブルを避けたいですし、発生しても自分で取り立てるのは嫌なので、保証会社必須にしています。
ちなみに、保証会社の費用は、連帯保証人を頼まなくて良いという入居者様のメリットから、一般的に入居者様に負担いただくことが多いようです。
募集を開始する
募集方法の選択肢
- 自分で入居者様を見つける
- 仲介業者様にお任せする
入居者様を募集する方法は、大きく上の2つがあります。
それぞれの募集方法と私の考えるメリット・デメリットを紹介します。なお、私は仲介業者様にお任せしています。
自分で入居者様を見つける
募集方法
ジモティー 無料の広告掲示板や、ECHOESというサイトを使って募集することができます。(一部の投資家には、知り合いからの紹介や、街でナンパして入居してもらう強者も…)
メリット
- 募集にお金がかからない、もしくは少額
- 入居者様の人柄を知れる
- 物件を自分で売り込める
仲介業者様にお願いした場合、広告料として家賃の1か月以上支払う必要がありますが自分で募集した場合、広告料がかからないメリットがあります。
また、入居希望者様と直接対面できる点で、相手の人柄を知った上で契約ができるため、クレームが多そうな方や家賃滞納しそうな方を自分で断ることができます。
デメリット
- 内見に都度対応する必要がある
- 保証会社に通らない属性の方が多い(ジモティー)
自分で対応するとシンプルに時間が取られます。サラリーマンをしていると、
平日の日中の内覧には対応できませんし、休日を潰して内覧の対応をする必要があります。
私はこのデメリットを理由に、
自分で募集する方法は使っていません。
また、ジモティーで募集された方の声には
・入居希望者の属性が良くない(保証会社の審査に通らない)
・内覧の予約をすっぽかされた
などのネガティブなものも多数あります。
自分で対応する時間が取れて、こういった経験を糧にできる方にはトライする価値はあると思います。
仲介業者様にお任せする
募集方法
大まかな流れとしては
- 賃貸仲介業者様を見つける
- 募集条件を確定する
- 賃貸仲介契約を結ぶ
- 仲介業者様による募集開始
私は賃貸の仲介業者様を探すときに、物件の管理もお任せできる業者様を探します。
お任せする仲介業者様を見つけるには、まずスマホを使います。
グーグルマップで最寄り駅、もしくは最寄りのターミナル駅を「不動産」で検索します。もしくは、SUUMOで競合の戸建物件を掲載されている不動産会社様をピックアップ。
そして次は実際に足を運びます。
- 物件の間取り図(購入時にもらった資料)
- リフォーム後の写真(完成前の場合はイメージ写真)
- 希望の募集条件
上記の内容を紙に印刷するかPCやスマホですぐ見られる状態に準備して1軒ずつ仲介業者様を訪問します。
色々な担当者様がいらっしゃいますが、私はその中でも、募集方法や条件に関して提案してくださったりこちらの要望などを質問してくださるような、積極的な担当者様にお任せすることにしています。
募集条件の確定は、担当者様のご意見も取り入れながら、ある程度柔軟に対応しています。
ただ、条件は緩い方が仲介業者様も簡単に入居者様を見つけることができるため、負担が少なくなる目的で募集賃料を下げることなども提案されることがあります。
そのときに周辺の競合物件の家賃やクオリティを把握しておくことが募集条件の交渉に役立ちます。
また、例えば始めの1週間は背伸びした家賃で募集したい、などのこちらの要望に対応してくださるというのも、お任せする仲介業者様を選ぶうえで参考にできる点かもしれません。
また、この訪問を物件購入時やリフォーム前に済ませておくことで、ニーズの無い物件を購入してしまうことを避けられたり、過度なリフォームや外せないリフォームポイントを事前に把握できるメリットがあります。
メリット
- 内見の案内~入居契約まで、すべてお任せできる
- 内見で競合物件と比較してもらえる
本業のあるサラリーマン大家にとって、入居者を探す仕事を完全にお任せできることは拘束時間の観点で最も利点を感じるところです。
日ごろの意思疎通は電話やメール(LINE)、入居契約は郵送で完結します。
また、自分で募集する場合と違って、競合物件への内見を同時に行うことで入居者様は物件の比較をすることができ、より納得感をもって入居していただくことができ、長期入居に繋がると思います。
デメリット
- 費用がかかる
- 仲介業者様訪問に時間が必要
仲介業者様に仕事を依頼するので、当然ながらお金がかかります。
入居者様を見つけてくださった際に、その業者様には広告料として、賃料の1か月分~数か月分をお支払いします。
また、信頼できそうな仲介業者様を見つけるには、半日~一日程度時間を確保する必要があります。ただ、入居希望者の内見案内を対応することと比較すれば、恐らくかなり少ない時間で完結します。
これらのデメリットを踏まえても私は
仲介業者様にお任せする選択をしています。
賃貸募集に関する契約
お任せする仲介業者様が見つかれば、仲介業者様と契約を結びます。
契約形態
不動産会社と契約するには、次の3つの契約形態があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約
貸主(大家)は複数の不動産会社に仲介を依頼することができる。
メリットは色んな不動産会社が窓口となって募集するので、案内回数が増える可能性がある。
デメリットは、不動産会社には不動産流通標準情報システム(レインズ)に登録義務がない。さらに、不動産会社にとっては競合他社も窓口になっているため、他社で決まれば費用を回収できないリスクがある。このような理由から、積極的な募集をやりたくなくなるし、募集する義務もない。
専任媒介契約
貸主は1社の不動産会社にのみ仲介を依頼することができる。ただし、自分で入居者を見つけてくるのはOK。
メリットは、不動産流通標準情報システム(レインズ)に登録義務がある。問合せ状況の報告を不動産会社から定期的に受けられる。問合せ状況に応じて募集家賃などの条件を逐一変更でき、空室対策がこまめにできる。
また、不動産会社にとっては、ほぼ確実に広告料を受け取れるため、積極的に募集活動をするモチベーションとなる。
デメリットは、窓口が1社+自分に限られるため、不動産会社様に依存することになる。(担当者様の能力次第ではすぐ決まるし、決まらない場合もある)
専属専任媒介契約
貸主は1社の不動産会社にのみ仲介を依頼することができる。自分で入居者を見つけてくるのもNG。(正確には、入居者を見つけても、不動産会社を経由して契約し、広告料を支払う必要がある)
メリットは不動産会社に、週に1回以上の活動状況の報告義務がある。(専任媒介契約よりも頻繁にやり取りできる)
デメリットは、自分でも入居者を見つけてこられないため、完全に不動産会社に依存することになる。
簡単にまとめるとこんな感じです。
どれにするか迷われる方も多いと思いますが
私は、専属専任媒介契約を結んでいます。
その理由は、次の3つです。
- 募集活動をする時間の余裕がない
- 信頼できる担当者様に巡り合えた
- 担当者様のモチベーションアップ
1つめは、私は妻子持ちのサラリーマンのため、平日は仕事、週末は家族と過ごすので内見対応する時間がありません。
2つめは、購入検討している段階で複数の不動産会社を訪問し、応対の雰囲気などを比較しているので自分よりも上手に案内してくれそうな担当者様にお任せしている。
3つめは、自分が信頼する担当者様に、「頑張って入居者を見つければ、確実に報酬が入る」と確信してもらうことで、積極的に募集活動を行ってもらいたいという思いです。
実際、3軒目以降は同じ担当者様にお願いしており、これまでに短い期間や、相場よりも少し高い金額で入居者様を見つけてきてもらっています。
広告料
この広告料の金額設定は、大家としても悩みどころです。1件でも多く案内してもらうために、競合より多めに支払うのか、物件の魅力を信じて、少な目に設定してコストカットするのか。
これは、上の契約形態の「モチベーション」にも関わってくる部分です。営業マンの方のお給料が歩合制の場合、いかに多くの広告料を獲得できるかがお給料の額を左右します。
そのため私は、相場よりも1か月分多く広告料を支払うことにしています。そうすると、私の物件を積極的に案内してもらう彼らの意欲に繋がります。
1か月分広告料を多く払っても空室期間が1か月短くなるのであればプラスマイナスゼロだという考えです。しかもそれで頑張ってくださった担当者様のお給料が増えるならまさにwin-winじゃないですか。
競合物件を見ていて、そこそこ良さげな物件なのに空室期間が長いものを見つけると「オーナーさん、広告料ケチってんのかな~」なんて思っちゃいます。
まとめ
- 入居者探しは信頼できそうな仲介業者様を自分で見つける
- 募集賃料は周囲の戸建と比較して決める
- 仲介業者様は戸建投資における重要なパートナー
せっかく購入・リフォームまで頑張った戸建です!
是非、適正な募集条件を設定し、積極的な仲介業者様にお任せして素敵な入居者様に巡り合いましょう!