戸建投資の全体像(物件購入編)

 

私が実践している戸建投資の、

物件購入から収益化までの流れについてご説明していきます。

なお、私は融資を使わず、現金で購入しているため現金戸建投資のプロセスになります。

戸建投資の収益化までの全体のプロセス

戸建購入 ←今回はココ!

リフォーム

賃貸募集

入居契約

修繕対応

 

今回のブログでは最初の一歩、戸建購入にフォーカスしてご説明します。

 

戸建購入

不動産賃貸業を始めたとき、

戸建を購入するところに一番時間がかかった記憶がありますし、

今でも時間がかかります。

その理由は、

大きく失敗しないために、慎重に選んで不動産を購入しているからです。

ほとんどの業務を外注するサラリーマン大家にとっては、

購入するまでに不動産賃貸業の7割の仕事は終わっていると言っても

過言ではありません。

 

私の場合、検索対象エリアは大阪の北部~奈良の北部としていますが、

毎日ポータルサイトを見ていても、

買いたいと思う物件は半年に1軒あれば良いかな、という感覚です。

根気強く物件を探していきましょう!

 

戸建購入までのプロセス

物件情報の入手

内見

 問合せ・予約

 準備

 当日のチェックポイント

買付証明書の提出

売買契約

決済・引き渡し


物件情報の入手

どんな物件が売りに出されているか、情報を入手する方法は主に以下の4つ。

 ポータルサイトで検索

 不動産ホームページで物件情報のメルマガ登録

 不動産売買をされているお店を訪問し、紹介してもらう。

 空き家を自分で探す

上にいくほど初心者の方でも情報を入手するハードルが低いですが

その分誰でも入手できる情報なので競争が激しいです。

下にいくほど手間も時間もかかりますが、

その分行動した人だけがゲットできる情報も増えてきます。

私はいずれもトライしましたが、サラリーマンと育児を優先したいので

スマホ1つで情報が得られるポータルサイトや不動産メルマガを活用しています。

得られた情報のなかで、特に重視するポイント

不動産は動かせない物なので、あとから変更できない要素が、

いくつかあります。

特に土地に関係するものが多く、

これらの情報はポータルサイトに掲載されている場合が多いです。

・戸建 or 連棟(テラスハウス)か

・駅、バス停からの距離

・道路付け(道路種別、道路幅、接道幅)

用途地域(市街化区域、市街化調整区域)

・駐車場の有無(近隣含めて)

ライフライン(公営水道、下水、都市ガス)

・間取り

・学校やスーパーからの距離

内見予約

不動産屋さんに電話して、内見の予約を申し込みますが、

このときに聞いておいた方がよいことがいくつかあります。

・建物の傷み具合(雨漏り、傾き、白蟻など)

・他者の問合わせ、申し込み状況

・金額交渉の余地

・物件の住所(町名+番地まで)

内見準備

予約をしてからも当日までに準備することはあります。

・土地価格の算出

・周辺競合物件の調査

・対象地域の住宅扶助の金額

私はこれらの情報を基に、

購入希望金額を決めたり、

家賃の最低ラインを予測したりしています。

内見後はできればその場で、もしくは遅くとも当日中には

・購入の意思があるのかないのか、

・意思があるならいくらで購入したいのか

なんらかの回答をすることが

買いたい物件を手に入れるためには大切だと思います。

自分が仲介業者様の立場だったとしたら、

返事を先延ばしにする人とは取引がスムーズにできるか不安になりますので。

 


土地価格の算出

築年数の古い戸建を購入する場合、

税法上では建物の価格はほとんどないため

購入金額の1つの目安として土地の価格を用います。

事前に利回り計算をした結果、どうしても指値をしたい場合の

売買金額の下限ラインになりうるポイントです。

※注
もちろん
売り出し価格から下がらない場合あれば、
土地価格より下がる場合も
あります。
ただ、賃貸需要が見込める地域で、
再建築可能な戸建を土地値で購入できていれば
大きく負けることはないと想定しています。


土地価格は物件の住所さえわかれば簡単に調べることができます。
・全国地価マップで前面道路の固定資産税路線価を調べる。
・(土地価格)=(土地面積)×(固定資産税路線価)÷0.7
この2ステップで調べられます。
ポータルサイトでは物件の住所がピンポイントでわからない場合がありますが、
もし内見予約前に住所がわかっているのであれば、電話前に計算し、
土地価格を目安に売買価格の交渉の余地について打診してみるのもアリです。

この具体的な交渉方法についてはこちらのnoteを参考にされることをオススメします!

内覧前TELでの指値交渉術 ヒアリングの流れ・具体例|TEL指し系大家あご( 📞¨̮ )🏡|note

 


周辺競合物件の調査
内見当日までには、他の賃貸物件と購入予定の物件を比較し、
希望家賃を設定しておきたいものです。

そのために既に賃貸に出ている戸建の状況を調べます。
目的は、
「自分が買おうとしている戸建はいくらの家賃設定なら競合に勝てるか」
を推測するためです。

他に広くて綺麗で安い物件があると、かなり厳しい勝負になります。
逆に、どこか一つでも優位なポイントがあれば、選ばれる物件になりうるということです。
広さで勝てるのか、
高家賃帯に競合が少ないのでガッツリリフォームして勝つのか、
とにかく安い家賃で勝てるのか。

自分で比較して設定した家賃については、
的外れでないかどうかを賃貸仲介業者様に確認しています。

私が不動産投資を始めた頃は、
内見後に購入可能性の高い物件の資料をもって賃貸仲介の不動産屋さんを
巡っていましたが、
最近は何度が賃貸仲介・管理をお任せしている不動産屋さんの担当営業の方に
内見予約前にLINEやメールで確認しています。


対象地域の住宅扶助の金額
住宅扶助とは、生活保護世帯に自治体から支給される住居費(≒家賃補助)です。
戸建投資の1つの戦略として、コストを抑えて低家賃で勝負するという方法があります。

ターゲット世帯を生活保護世帯に絞るメリットとして、
自治体から住居費が支給されるので家賃の未回収がおきにくい
・引っ越しに対する自治体の審査が厳しいので、退去の可能性が低い
などが挙げられます。

そのときの最低家賃の目安に、住宅扶助の金額を用います。
実際に私も、1軒目はリフォームコストを抑えて生活保護の方にご入居いただいております。

金額を調べる方法は、
自治体名 住宅扶助」で検索をかけます。

例えば同じ大阪府内でも自治体によって金額が異ります。
大阪市 40,000円/月
能勢町 29,000円/月

大阪府では、土地値が高いような地域では住宅扶助の金額が高く、

そうでない地域では金額が低いです。


また、家族の人数によっても金額が異なります。
大阪市の例
単身   40,000円/月
2人    48,000円/月
3-5人   52,000円/月

 

地域と物件の広さ(間取り)を見ながら、

どういう家族構成の入居希望者が見込めるか

賃貸仲介の不動産屋さんに相談し、想定家賃を設定してみてください。

 

内見当日のチェックポイント

・雨漏り、傾き、白蟻

・周辺環境、近隣住民

 

私が内見するときにチェックするのは、修繕費に大きく影響する箇所がメインです。

そのポイントが、雨漏り・傾き・白蟻です。

これらの不具合があった場合、

その部分の修繕費を予算に盛り込んでも収益が成り立つのであれば

購入も視野に入れます。

 

雨漏り

天井雨漏り跡

 

例えば雨漏りであれば屋根の

補修、そのための足場代、室内天井や床の美装、

などの費用が余分にかかってきます。

実際に私が購入した物件でも雨漏りがありましたが、

その修繕費の分、戸建の購入費を抑えられたので収益としては

他の戸建と同等の収益が出ています。

 

実際の雨漏りの確認方法ですが、

雨漏りしている場合、天井や畳に雨漏りの

跡が残っています。

シミがあるのと、天井の板が膨らんでブカブカした感じがすれば、

雨漏りの跡である可能性が高いです。

押入の天井に雨漏りが隠れている場合があるので、

襖はすべて一通り開けて確認されることをオススメします。

 

傾き

床の傾き

 

次に、床の傾きですが、こちらは発生原因によって大きく修繕費用が異なるようです。

・建物の劣化の場合、10数万円の床のリフォーム

・地盤が軟弱な場合、数百万円と地盤改良

地盤が原因だった場合、

収益が全然出ない物件となる可能性が高く購入を避けたいですね。

 

傾きの確認方法はいくつかありますが、

入室したときに体感で傾きを感じなければ問題ないと判断しています。

新築ではないので、ごくごくわずかな

傾きであれば築古の場合許容範囲と考えているからです。

ただし、入室して感じる程度の傾きは、

将来的に入居者様の健康被害を引き起こす可能性があるので、改善が必要です。

 

 

白蟻

柱の白蟻被害

白蟻による被害については、写真のように柱がボロボロになってしまいます。

最悪建物が倒壊するようなダメージを受けている場合もありますので、注意が必要です。

軽度の被害であったり、すでに薬剤散布などの対策がされていれば柱を部分的に補修すれば済むため、修繕にそれほどお金がかかりません。

一方、被害が大きかったり、薬剤散布を買主で実施したりする場合、その修繕費も大きくなってくるため、収益が成り立つかシミュレーションする必要があります。

 

初めて築古戸建を購入する場合、

これらの不具合の状況や原因、修繕費用を自分で判断することは難しいと思います。

私は今でもできません(汗。

ですので

でも記載したように、

ご自分で判断できない方は内見に立ち会ってくださる

リフォーム業者様を探しましょう!

詳細は上記リンクにあるので割愛しますが、

リフォーム業者様に立会を依頼する際のポイントは

「購入に至った場合はリフォームをお願いすることを約束しておく」

です。

リフォーム業者様に立会っていただくことで

・修繕費が収益を大きく圧迫する物件を避けられる

・修繕費の概算がその場でわかれば、買付提出までの時間短縮になる

など、メリットは多いです。

 

買付証明書の提出

さて、無事に内見を済ませた後、購入したい場合には

「買付証明書」と呼ばれる書面で

その意思を仲介業者様から売主様へ伝えてもらいます。

買付証明書の参考例を載せておきます。

買付証明書は、仲介業者様からフォーマットを渡される場合が多いですが、

上の画像はこれまでに記入した買付証明書を参考に自作したものです。

記入情報としては、

・宛先(仲介業者様の会社名)

・申し込み日

・希望の購入金額

・契約時の手付金(購入金額の10%が相場。)

・融資利用の特約(現金購入の場合、「なし」と記入)

・契約締結予定日

・物件引き渡し予定日

・本書の有効期限

・当該物件の表示(物件の概要)

・自分の氏名と住所

などの項目があります。

 

各社様、フォーマットは異なりますが、

「どこの誰が、どの物件をいくらで購入したいのか」

がわかる書面であれば問題ないようです。

 

希望購入金額については、

特に収益を目的として戸建を購入する場合、

指値と呼ばれる金額交渉、いらゆる値下げをお願いする場合が多いです。

この値下げ交渉については、内見の際に、

慎重に仲介業者様の反応を見てから決断されることをオススメします。

最近、戸建投資ブームの影響もあって(私もその一人ですが)

特に初心者の方が無茶苦茶な指値をしてくるということで

仲介業者様から敬遠されています。

内見の結果、修繕費が大きくかさむことがわかった場合には私は

「ネットで見て想像していたより修繕費がかかりそうなので、購入金額○○万円ぐらいでないと収益が出ないのですが、それでも買付証明書を提出すれば売主様へ金額交渉いただけますでしょうか」

とはっきり確認しておきます。(言い方はその場の雰囲気で色々変わりますが)

仲介業者様によって返答は様々ですが、

その場で断られた場合は、内見にお時間をもらったことにお礼を述べ、引き下がることも選択肢の一つです。

 

また、細かい部分を説明しますと、

契約手付金は契約の際にお支払いするもので、契約のキャンセルがない限り決済時に購入金額の一部として充てられます。つまり、購入金額の10%を契約時にお支払いしていれば、決済当日は90%を支払うということです。

もし、契約後に契約をキャンセルしたい時には買主はこの手付金を売主にお渡しすることでキャンセルできるものです。

契約締結日や物件引き渡し(決済)日は仮の日程として仲介業者様に相談して記入することが多いです。日程は、この買付が売主様にOKをいただいてから決定します。

 

買付証明書を提出したあとは、仲介業者様が売主様にこの金額でOKか確認し、

返答の連絡をくださるので、じっと待ちましょう。

この待機時間は不動産投資をしていて、

最もワクワクドキドキする時間かも知れませんね。

 

売買契約

さて、めでたく売主様の承諾が得られたら、売買契約です。

初めて売主様と対面する日でもありますので、

売主様にはまず金額を融通していただいたことのお礼を伝えるようにしています。

 

売買契約と決済(物件引き渡し)を同日に行う場合もありますが、

私の場合、売買契約を行った1~2週間後に決済を行うことが多いです。

売買契約で行うことは契約内容の確認と重要事項説明が中心です。

基本的には仲介業者様が契約書や重要事項説明書を読み上げながら説明してくださいます。

買主は契約内容や重要事項説明書の内容が事前に聞いていた内容と異なっていないかなど、確認します

 

築古戸建の売買では、物件の引き渡しが終わってから土地や建物の不備を指摘したり、補償を要求したりできませんので、特に重要事項説明は専門用語が出てきてわかりにくいこともありますが、しっかりと聞いてわからないことは質問しましょう。

 

内容に問題がなければ認印を捺印して、手付金をお支払いして売買契約は完了です。

 

決済・引き渡し

いよいよ最後のプロセス決済と引き渡しです。

とは言うものの、やることはお支払いと物件の鍵の受け取りだけです。

このときにお支払いする代金について簡単にまとめました。

 

支払先:売主様

内 容:戸建残代金(売買価格ー手付金の金額)

    固定資産税の日割り額

 

支払先:仲介業者様

内 容:仲介手数料

 

支払先:司法書士の先生

内 容:不動産移転登記費用

 

これらの代金をお支払いすれば鍵を受け取ることができます。

不動産の移転登記を司法書士の先生にお願いする場合は、

売主様と先生とで必要書類の受け渡しをされたあと、解散となります。

 

おめでとうございます!

これで晴れて賃貸用戸建を手に入れることができました!

続いてリフォームへ進みましょう!

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